<メニュー>

JC:皆さん、ハロー。TGCのクリエイティブ・ディレクター、ジェノヴァ・チェンです。

ここに居るのはアート・ディレクターのマット・ナーヴァ。

M:ハイ。

JC:リード・エンジニアのジョン・エドワーズ。

JE:やぁ、みんな。

JC:リード・デザイナーのニック・クラーク。

N:ハロー。

JC:そして有名なオースティン・ウィントリー、Journeyの音楽を担当した作曲家です。

A:あはは、ハイ

JC:ゲームを始める前に、オースティン、Journeyのまさにテーマ曲を今聴いているけれども、この曲がどうやって出来たか少し話してくれないか?何がインスピレーションになった?

A:音楽作りは本当に初めから始まったんだ。初日から僕達が一緒になって話し合うことができたことは、僕がこのプロジェクトを愛してやまない理由の一つになっていると思う。フラアリーが出た後1週間かそのくらいだね。僕達はジョーゼフ・キャンベル(神話学者)やモノミス理論(すべての文明の神話にはある基底構造があるとする理論)について話し合ったり、ゲームにおける感情について議論したりした。音楽については、どういった音色に興味があるか、例えば弦だとか、というような明確な話はしなかったな。純粋に感情についての議論で…本当に素晴らしかった。僕はただジェノヴァが話していたことを気に入って、その日スタジオに戻ってすぐ、この曲はこの形で出てきたんだ。そういう運命的なケースだよ。でもコンセプトを裏付けるためのデモ用に使われるんだと思っていて、トレーラーやクロス・メディア・バーや諸々に使われることになるなんて予想してなかったよ。今聞いているのは、オーケストラを除けば、あの日に僕が作ったそのままのものだから。

JC:ではゲームを始めようか。最初に作った曲が最終形のゲームで結局は使われているというのは不思議な感じだよね。それだけ良い曲だったのだと思うよ。

A:わからないけど…少なくとも合っていたよね。「良い」とは僕らには言えないけれど…

M:ゲームのビヴィジュアルにとってすごくインスピレーションを与えた曲であることは間違いない。この曲で最初のコンセプト実証用のトレーラーを作ったんだ。

JC:そう、ソニーに最初に売り込んだとき、マットとジャッキーはそのトレーラーを作っていた。どこかに出ているだろうからオンラインで探せると思うよ。最終版と比べると全然違うキャラクターが出ている。

N:腕がある。

JC:その通り。そのキャラクターはもっと…。

A:山もなかった。まだある種の谷だった。

JC:そうそう。

A:花崗岩の壁みたいな…。

M:トロフィーだ。

JE:これは初めてのプレイじゃないんだよ。

JC:でも新しい旅路を始められるからね。ノープロブレム!

N:ここで言っておきたいのは、ゲームを開始した時、最初は山が見えないこと。プレイヤーが初めに出てくる丘の頂上に着いたときのために、旅の啓示は隠しておきたかった。でも2回目以降は山が見える。ゲームをすでにクリアした後にはね。

JE:これは本当に最後での決定だった。マットが全力で押したんだ。

N:でも間違いなく正しい選択だったと思うよ。

A:ああ、僕も君達に言われるまで気づかなかったよ。ほんの一週間くらい前に。本当に、何千回もプレイしたけど全然…。

 

<CP1>

N:さぁ、ここで素晴らしい砂の技術が。

JC:ジョン、これについて話したい?

JE:はは、そうだね、きらきらした砂のフィールドが見えるけれども、PS3で描出されている何百万の粒子、これは作るのにそれ自体がプロジェクト的長さのプロセスだった。マーティン・ミドルトンと…本当にチーム全員がこのために動いたよ。

N:プロジェクト的長さっていうのは3年だね。Journey自体を作るのに3年かかったんだ。

M:そのとおり。このオープニングはたくさんの試行錯誤を経て、曖昧な表現に留めることにした。ゲームの最後にプレイヤーがみる星のようなエフェクトで、2回目のプレイではもっと意味がわかるように。

JE:加えて、プレイヤーをリセットする方法でもある。旅を始める前に。

A:それは君たちがフラアリーでもやったことで、とても効果的だったと思う。僕が最初に書いた音楽の一つだから覚えている。あまり知られていないことだけれど、プレイヤーを感情面で白紙の状態にするために、フラアリーは音の爆発で始めた。「だからここでも同じようなことにトライしよう」。

M:大きくて長い、白いショットで始めることを選んだのもその理由で。そして段々と早いショットになっていく。

A:そう、無視覚の一種。

JE:さあ山が出てくるぞ…。

N:ここで山が現れて、実に荘厳な感じ。お!きました!

JEMoved a mountain(※上手に訳せませんでした)

JC:たくさんの人がJourneyの音楽がどんなに素晴らしいかということを教えてくれる…つまり、とてもすてきなレビューがたくさんあって。壮大な音楽だし、転調するときに無意識にそう感じる。これはすごく特筆すべきショットだ。もう一つについては後で話すよ。

A:おもしろいよね、たくさん反応をもらって、大勢の人が「本当にこのゲームが好きだけど、特に音楽が良くて」って言うんだ。僕はいつもそれに対して、嬉しいけれども僕は同意できないよって言う。音楽はゲームの結果みたいなものだから。僕は何も作ってなくて、「よし、これにあう場所を探そう」って言うだけ。全てはいつも君たちが作ったものから直接インスパイアされるんだ。美術の方向性やカラーパレット、プレイヤーが動く方法、全てから。だから僕にとっては、それらを別々に語ることは全く意味がない。

N:ここが最初のチュートリアルシークエンスだね。プレイヤーに飛ぶ能力をどうやって使うか教えるところ。でも実はシークエンス丸ごとスキップできる。プレイヤーに「この建物に行って最初のシークレットを回収しろ」と強いることはない。実は初期のプレイテストで少々問題にはなったけれど。ほぼ全てのプレイヤーが自発的に行き着くように、十分魅力的には作った。だけど僕らにとって開発において重要なことは、絶対にプレイヤーに決定を強制しないこと。だから、もしスキップしたければできる。

M:この像は先祖のスフィンクスの壊れているバージョン。これは実はおかしかったというか、最初ここには壊れていない先祖がいたんだ。以前はこのチャプターに先祖の像が2つあった。

JC:これは7番目の先祖だった。

M:そう、本当に初期の段階ではね。

A:すごく古いバージョンの、先祖が出てくるところ好きだったよ。プレイヤーは山にむかって横を向いていて、それからどちらも向き直って、そして先祖が山に向かって飛んでいく。

M:先祖は山までのすべての道のりを飛び、プレイヤーはそれを見なければならない。それではつまらない。

A:そういうことってあるよね。通り過ぎて後になってみると全然ダメだなって思ったりする。同じように、ゲーム中のたくさんの音楽を総合的に一生懸命書いて、そして他のものとおきかえてみて、戻って聴いたときに「これはひどい!」って。「どうして一度でも良いと感じたんだろう?」

N:初めて先祖のシークエンスを入れた時のことを思い出すよ。じつに素晴らしかった。でも振り返ってみると、とっても良いってわけではなくて。

A:そのとおり、おかしいよね。壁画について話したい?

M:これもみんなが納得する段階までには試行錯誤を繰り返した。長い間、わかりにくい要素で―まだそうかもしれないけれど―もっとたくさんのシークエンスみたいなものがあったんだ。

N:以前はアニメーションで、何回でも作動させることができた。そのたびに違う画があらわれて。でもそうするとプレイヤーはそこには何らかのしかけがあると考えてしまう。何かをアンロックするために、ある一定の回数作動させなくてはいけないとか。

A:そう、パズル。

N:うん、パズルとかそういう類に見えた。

M:この場合はシンプルな方が良いってことがわかった。

N:以前は布のタペストリーが下がっていて、そこに走って入ることができたのだけれど、そうすると布が壁の中に飛んでいってしまってとても恰好悪かった。

A:きちんとディスプレイされているときは、吊るされている布が動くのは本当に恰好よかった。バグが多かったけど、いつもすばらしいヴィジュアルだと思っていたよ。タペストリーに向かって歌うと光を発して。

N:うん、ある意味では良い反応だったけど、それがまた…。

JE:問題でもあった。

N:そう、反応しすぎた。

JE:僕らがいつも見るもののうちの1つで…そういったパーツがゲーム中にはある、僕らがプレイヤーにあまり焦点を当ててほしくない場所が。唯一の方法としては取り除くしかない。ネガティブな反応もプレイヤーの注意をひいてしまう。布が壁に入り込むことであっても。

N:まさに。

JE:プレイヤーはそれを見たがるから、簡素化するしかない。

M:反応ということについては、このパートではいつも驚かされる。飛ぶことでたくさんのいい反応が体験できる。

A:僕にとって、とても…「charming(魅力的な・うっとりするような)」って言葉がいつも頭に浮かぶけれど、そう感じる瞬間の束がある。君たちはこのとても侘しくみえる、ある種荒廃した地形を創って、そしてそれから、まるで鳥の群れが持ち上げてくれるような小さな瞬間が。

N:そう、これはゲーム中で出会う最初の生き生きとした瞬間だ。

A:とても…。

N:世界にまだ生命があるという最初のヒントみたいなもので、意図的なものだ。僕らはいわば生命を創り出している。プレイをするにつれて徐々にプレイヤーに示し与える。ここは初めて発覚するところだ。

M:同様にこういったシーンを作った。ここでは先祖の顔さえも見せない。シルエットだけ。制作当初とは異なっている。ゲームを通して、よりおもしろくするためにこうしたんだ。

A:この物語絵のシークエンス好きだな。サウンド・デザインの観点から言ってもすごくおもしろい。やりすぎてしまいがちだし、半アニメーションに対してはいかにも「サウンド・デザインしました」という風になりやすいから。でもサウンド・デザイナーのスティーヴ・ジョンソンが到達したバランスは実にいい。音楽についても同じ。映画みたいな楽譜にしないように気を付けた。でも伝えたいことが全体的に感じられるようなものを追及したよ。ありふれたアニメーションのストーリーボードではなかったから。あまりに明確に捉えてしまうと、そういう風(ありふれたもの)になってしまう。

JC:そう、ちょうどいい線。ストーリーが読み取れるけれども、同時にミステリアスにもしたかった。だから…音楽や効果音は間違いなくその抽象的なエフェクトに貢献してくれたと思う。

N:ゲーム中にはたくさんの手がかりがある。ちょうどそこの扉が開くこととか。それは「前に進め」という合図。プレイヤーに「前に進め」とこちらから言うことはないけれども、こういった「あ、扉が開いた」という小さなヒントで、プレイヤーは本能的に前進できるとわかる。だから、ゲームを通して無意識にプレイヤーを導けるように、こういったタイプのデザイン要素を組み込むようにした。

JE:あと、ちょうどその端のところに、もう一人のキャラクターがいたことに気付くはず。旅路の途中で他の誰かに出会うかもしれない伏線だ。

M:唯一のAIコントロール・キャラクターがこれで、廊下の最後にいる姿がちらっと見える。

A:ほとんどの人が、小さなTVなら特に、幻覚で人に見えたに違いない、って思うところがいいよ。

JE:砂漠の蜃気楼?

A:そう、まさに。以前、ずっと前は、これはこのエリアの終わりで、砂丘を駆け上がって、そして人影がみえるけれど走り去ってしまう。そしてこれはもっと繊細でエレガントなデザインだね。

 

<橋>

JC:さて、ここが、インターネットで実際にプレイヤー同士がつながる最初のエリア。いつ出会うかはわからないけれど、ここはそれが可能になる最初のエリア。

M:だからステージ全体を、お互い見つけやすくなるようにデザインした。サイドに大きな崖を作ったのもそれが理由だ。プレイヤーはこのエリアからどうやって出るのか解明しなければならないので、より多くの時間をこのエリアで過ごすことになる。

N:仕掛けは三角形に配置されている。同じ場所を何回も通るように。この次のステージのように、後に出てくるステージはスタートからゴールまでが直線的だけれど、このエリアでは誰かと交差しやすい。ある程度決められた範囲内で長い時間を過ごすから。

JC:ニックが三角形について言っていたけれど、今登っているのは―ネット上での呼び方によると―「石蛇」の1つで、ここには3体あって三角形を作っている。だから次へ移動するときに、他のプレイヤーを見つけやすい。

A:フェイスブックやツイッター上で、プレイした人たちが、これらが機械だと気付けている投稿をみたことある?このシーンでのそれについてみんな沢山コメントしていた?

M:1回通してプレイした後には気付くことがあると思う。初めてこのエリアに来たときにプレイヤーに見てほしいのは、この彫刻のような、壊れているもので、あまり考えすぎないでもらいたい。そして2回目や3回目のプレイでまたこれらを目にした時に、この配置がこの世界やこういったものの歴史的に何を意味するのか、より前後関係や理解が持てているかもしれない。

JE:初回でもプレイヤーが入りこんだここには世界があって何かが起こったと、無意識に感じられるといいな。

A:いつもこういったものを音楽に組み込みたいと思っている。もし種を植えたかったら、そしてそれを後で誰かに思い出してほしかったら、音楽を通して行うことができる。ここでは実際に行っていないけれど。後ででてくる石蛇に関連する音楽的色合いなんかついて僕は明確にしていて、ここではそれらを使っていない。ここでは石蛇と関わるわけではないというのも理由。それに、示しているものが明確になってしまって直接的すぎて、やりすぎになっていたかもしれないと思う。「ほらほら、ちょっと不気味な感じだよ」って。

JE:プレイヤーの経験も同じだよね。

A:その通り。はるかに大きなポイントだ。同じように、君たちはプレイヤーに過保護になって、スーパーウルトラ直線的な道をプレイヤーに強いたりしていない。音楽も、その適応性と感情面において、プレイヤーに特定の道を感じさせないようにした。ゲームにおいてプレイヤーが選択できる環境を作っているのと同じやり方だね。「あなたはいま橋にいるんだ!」と言ってしまうのとは対照的に。そのヒントを得ると思うけれども。

N:二つの間にははっきりとバランスがある。例えば、このヒントはとても短いけれど、初めて橋を渡るときに気持ち良く感じる。

?:酔った。

A:一般論として、プレイしていて、その時の自分のムードによって全く違った感じ方ができるのがこのゲームのいいところだ。とても感傷的にもなるし、ただ視覚的な美しさを楽しむこともできるし、でもある意味でとても物静かだし、迷子になってとても深い経験をすることもある。

M:だれともマッチングしてないみたいだね。

JC:ああ。朝早すぎたかな?ゲーマーは朝にゲームしないのかな?

IE:木曜?金曜?の朝にね。

N:今日何曜日?

JE:シモンデー?

M:ここで初めて先祖の顔がみえる。先祖たちはこの白い空間にいたわけではなくて、これは瞑想中のキャラクターの視覚なんだ。開発当初は、先祖たちは実際の世界で出てきたけれど、それだとあまりよくなかった。

?:うん。

N:少し変だった。

JE:想像力に欠けていて、この形に落ち着いた。この方がプレイヤーに解釈の余地を与えることができる。好きなように、納得できるように、先祖たちは実在しているのか、あるいは記憶にすぎないのか、想像することができる。

A:ああ。何人かは神のようにもみえる。(別の単語で)神。そして何人かは残存者のようだ、この文明の。あるいはキャラクター自身を反映しているのかもしれない。

M:すべてのデザインの過程において、プレイヤーがそれぞれのストーリーを決めるのを後押ししたかった。

JE:チームとして、チームメンバーの中で、みんなが同じストーリーが見えるように一つの道はあったけれど、キャラクターについてはそういった形で説明する必要はなかった。

A:早い段階で観察したことを思い出すな。みんながそれぞれあのエリアは何なのか、あのオブジェクトやキャラクターは何なのか、ということについて見解をもっていた。とてもいいことだと思うんだ…それがデザインに組み込まれていて。もちろんプレイヤーはそれぞれに解釈するわけだけど、チーム自体としても統一された秘密の背景があるわけではない。内部でも本当にゆるいんだ。

 

<ピンク砂丘>

JE:たぶんマットがね。

A:彼らは「rythulians(※オースティンさんの造語?訳せませんでした)」って呼ばれてる。

N:裏話を話すいい機会じゃない?

M:いや、話さないほうがいいと思う。

A:黙示録のあと、ここはフラアリーの世界。

JE:ここは僕の一番好きなステージ。E3か何かの直前ですごく忙しくしていた時、夜遅くに行きたくなった場所。砂漠を一時間半くらいただうろうろできて。

A:E3やポストE3のパブリック・ベータでは、このエリアをただ通るだけなのに、どういうふうに2−3時間プレイしたかってみんなが話していたよ。基本的にこのエリアではみんな多くの時間を過ごしたんだね。

JC:ここはピスモ・ビーチへの旅行を思い出すよ。開発を始めるときに行って、海の横に大きな砂丘のビーチがあった。待って、誰かとマッチングしたみたいだ。

JE:相棒ができたね。

M:誰かがいたんだ。ハロー!

JE:長いスカーフだ。

M:僕らはシンボル集めてないからね。

A:びくびくする必要ないしね。

JC:あっちも2週目みたいだ。ケープの模様が同じ。2回目のプレイヤーだってことだね。

N:あの小さな布の魚の生き物は―そう呼んでいるんだ―最初は定型どおりの動きだったけれどそれではおもしろくなかったし周回向きじゃなかったから、ゲームデザイナーのブライアンが書き直して完全にAIコントロールにした。決まったヒントも示すけれど、開発初期と比べると反応がよく自然になった。

JE:他プレイヤーの代理のようなものだけど、明らかに原始的な生物の形をしている。だから人間のAIは使っていないけれどよく動いてくれている。犬みたいについてきてくれる。

N:そう。そしてこの世界に生命が存在することの次のヒントでもある。確実に進化がある、ということを示している。

JC:この奇妙な布でできた生き物が、石蛇からでてくるというヒントもある。

M:ゲーム中の物語についてまた明らかになるところ。

A:全体にJohnに賛成で、ここは本当にナイスな…つまり、遊び心にみちた砂の箱っていうクオリティが欲しくて、その点でよくまとまっているように感じる。心地よくて、楽しくて、広い。「ほら、なんて素晴らしいんだ!」っていう感じ。

JE:当初はハイキングのメタファーを使おうとしていた。さまざまな理由で。でも最初はただ楽しめるように作ろうとしていた。超能力や超スピードはなく、ただ歩いていけるように。普通の人が自然のなかでハイキングするみたいに。ただその速さで歩いて環境を楽しみ、その場所で生きる。だからそういった環境を作るのに苦労したよ。自然に楽しめて、でもプレイヤーの速度を上げるような環境。

JC:このステージで僕達はサーフィンみたいなメカニズムを作らなければいけないと気付いた。すべての砂丘をただ歩くだけではマンネリを感じてしまう。iPhoneゲームの「Tiny Wings」をプレイしていて、それをニックとジョンに見せて言ったんだ、このゲームにはアップダウンのいいリズムがある、砂丘で遊ぶなら、歩いてのぼって、降りてくるときには違うように感じるだろう、と。それでサーフィンのメカニズムが、何マイルもの砂を同じペースで歩く力の救世主になった。

JE:正確に現実的ではないかもしれないけど、感じ方は捉えていると思う。

M:実際、参照したもののいずれにおいても、リアリズムを追及しているわけではないんだ。砂にしても何にしても。プレイヤーが経験する感じ方や雰囲気を追及していて、それはTGCのスタイルにおいて求心力のあるコンセプトだと思う。

JE:経験したときに頭の中でリアリティーになる。ピスモ砂丘での経験から表現しているけれど、そのままに反映されているわけではない。キャラクターがやるみたいに、砂の上でサーフィンなんて、僕らの誰もできないもの。

A:ああ、僕らのビデオを見れば、つまずいたり転んだり…。

M:このステージで言及しておきたいのは、色とデザインで、おもしろいのはグリーンの空。このステージは昼間のような雰囲気が欲しかった。輝いて晴れていてハッピーな。でも青空には絶対したくなかったんだ。青色はとっておきたかったから。ゲームの最後のために、旅の終わりのご褒美みたいなものとして。だから青をとっておくかわりに、緑を選んだ。

JE:とてもうまくいったと思う。世界のミステリアスな感じは残しつつ、同時に開放的でさわやかに感じる。青空みたいに。

M:ユニークだよね。

JC:最初の仕様では、いくつかのポイントで砂嵐があって生き残るためにシェルターを探さなければならなかった。でもだんだんと砂嵐はこの特定のエリアだけになった。

A:ベターな選択だった。これは建てられた物だから…物語の根底の意味みたいなものを示しているような気がする。

M:ゲーム中の建築物やデザインの方法に関して少し話すタイミングかな。ゲームプレイの制約に基づいてデザインした。空に緑色を選んだみたいに。笑っちゃうのは、たくさんでてくるアーチ状の橋なんかは、当初はまるいアーチにしたかったんだ。けれど不調和が見つかって、ああいう表面がないものにしなければいけなくなった。だから階段状のアーチを作ることにした。その方が技術面でマシだったから。そういったことが全体の建築デザインに影響している。

A:でもそういう不具合が起こったとき、他の方法では想像できないようなものに、制約とのかけひきを通じて至るというのが僕は好きだ。

JE:マット、他の方法でも思いついた?それについてはいつも罪悪感があるけど、でもマットが…アートチームのマットとジャックが限りのあるなかでやったことは驚くべきだよ。

A:僕からすればJourneyそのものみたいに見えるよ、つまり、沢山理由はあるけど、今と違うものなんて想像できないんだ。

M:たしかにたくさんの違う古代の建物から影響されている。ギリシャ建築、イスラム建築…。

A:ネイティブ・アメリカンのことについて話していたよね。

M:それも、そう、ネイティブ・アメリカンの象徴的な…もちろんこの建築物にはぼんやりとした影響だけど、おもしろい。先祖がみせるこのシークエンスは、とある週末に全部作った。夜遅くで…。

JE:ある深夜に。58時間起きていてね。

M:締め切りちょうどで。でもうまくいったと思う。

JETGCではいつもはそんなに逼迫しないけれど、マットは最後にはそうなるだろうとわかっていて、シネマティクスのセットをびっくりするくらいひっぱっていた。

A:全体的にうまくいっていると思う。音楽面でも苦労したよ。最終的な決定をするのが難しかった。でもあるところで、どこでもないようなところで、突然、そこには全てのものがあって、とても素晴らしかった。次へと進む1つの瞬間みたいな。

M:お友達はそこにいるよ。

JC:瞑想トロフィーをとりたいのかな?

JE:一緒にやろうか。時にはすこし時間をとるのもいいことだよ。

みんな:あ〜…!

A:彼はスーパーハードに瞑想していただけさ。

JE:人生の旅において、ときに人々は去っていくんだ。

JC:それは癌?

A:そう、ゲームに加えられた癌の特徴。

M:彼の魚がまだそこにいるよ。悲しいね。

JE:さあニックのネットワークコードをテストしにいくよ。
N
:ああ、このカットシーンでのネットワークは本当に苦労した。バグがあるんだと思うけど。

JE:よく白状した!

N:パッチで修正されるよ。

 

<スライダー>

JE:あなたがプレイする時までには。

N:一般的に、ネットワークやマルチプレイヤーのためのカットシーンは全般的に扱うのがとても難しい。もし一人がカットシーンを始めて、10秒後に別の誰かが始めたらどうなると思う?

JE::強引なデザイナーによるとても高度なエンジン・システムがある。

N:すべてのネットワークを確実にするのはデザイナーにゆだねられている。

M:ネットワークが不可能なシチュエーションは作らなかった。かっこよかった。

N:ネットワークに関しては多くの制約があった。それを解決するために、いつも待ち時間1秒でシミュレーションをした。待ち時間を必要とするデザインにできないように。それから多くのパケット・ロスについてもいつもシミュレーションを行った。

A:シンボルとろうとしてる?

M:いや。

JE:そういった方法で、たとえば日本の誰かとでさえもつながることができることを確実にした。とてもいい経験だ。隣に住んでいる人と繋がった時と同じ経験ができる。

N:たくさんの初期のマルチプレイヤー・メカニクスを試したけれど結局うまくいかなかった。自分たち自身に課したネットワークに関する制約のせいでね。

JE:プロの動きだね。

M:何回かプレイしないと秘密はわからない。僕達は数回プレイしたよ。このエリアの設計はおもしろいアイデアだ。ステージ全体が宙を舞いながらの動きを基本にしているので、マッチングし難くなっている。でもこのエリアではスローダウンして、他のエリアの解説であったように、エリア内を何回も行き来してお互いマッチングできる機会を持てるようにしてある。

A:ちょうどデモンストレーションしたようにね。

JC:同じ人じゃないかい?

JE:名前をチェックしよう。

N:そしてこのエリアはステージの休憩所みたいなものだから、内部では「スローダウン・エリア」ってよんでいたんだ。

M:興奮から一息つける。

N:サーフィンでまっすぐ通り抜けるだけではうんざりしてしまう。

JC:違う人だ。シンボルが違う。

A:このゲームで音楽はさまざまな形をとったけれど、多くは内省的でゆっくりなものだ。でもこのステージではもっと華やかな曲にしている。でも全部ソロで構成している。

JC:影と一体化した砂がとても印象的だ。百回も千回もこのゲームを見ているけれど、今日、プレイしないでしばらく見ているだけでもとても綺麗だ。

JE:もっと綺麗にできるところがいくつかあるんだよね。もっと時間があれば…3年とか?足りないな。冗談だよ。

A:僕には十分だよ。やるべき仕事をするための十分な時間なんてあったことがない。

N:彼はシンボルの方にいったんだと思う。

JE:見せてあげられるんじゃない。

JC:時間がないと思うよ。友達を置いていかなきゃいけない。

JE:たまにはこういうことも起こる。

A:上がろうとしている。

JC:1回目のプレイなのかな?1週目のプレイヤーかどうか、ケープの模様みられないかい?

A:かなり長いスカーフだ。

M:大きなケープだ。

JE:あそこでブーストが追加された。

JC:彼のケープにはフチがないよ。

JE:うん、シンボルを集めるのが上手なんだろうけど。

JC:同じだ、2週目のプレイヤーだ。

JE:まだシンボルとろうとしてる。

A:終わってしまった。これが人生なのさ。ちょうどここではティナ・グオがチェロのソロを務めている。僕は彼女の演奏が好きで、この出番は特にいい。あとここには、みんながiPhoneの着信音だと主張するものがある。

JC:でもそうだと思う。

A:違うよ、証拠がある。

JE:ジェノヴァが噂の発信源だよ。

A:我らの素晴らしい音楽編集者のテッド・コッカーからの証拠がある。彼が、2つを並べて比較したとても愉快なmp3を送ってきたんだ。フルートのF#での演奏で、すごく似通って聞こえる。たしかに、フランスのiTunesストアには20くらいコメントが並んでいて「バグに違いない!再リリースしようとしている。バグだよ」って。

JC:待って、じゃあ…本当にiTune アルバムに入っているの?

A:ああ、だって楽器だから。似たように聞こえるだけで、本当にiPhoneのじゃない。目の錯覚みたいなものだよ。メロディーの中でそう聞こえるだけ。

M:目の錯覚の話で、このエリアは…。

JE:存在しない。

M:このカメラ・アングルでデザインされている。どの建物も細かいテクスチャー・ワークは施されてない。プレイヤーが沈んだ都市を通り抜けるようにこのアイデアを作る必要があった。でも大きな都市を作る時間がなかった。それで背景に照らしだす方法が一番良いということになった。素敵で、かつ作るのが簡単なものにできた。より記憶に残りやすい場面にもなったしね。

JE:マットが技術の制約の中で作り出したもののいい例だと思う。ちょうどハイ・ダイナミック・レンジ・レンダリングを加えたところで、眩しくて熱い砂と太陽をつくることができる。問題はマットに基本的にゲーム全体のすべての環境のやり直しを要求することになった点。嫌だったかもしれないけど…

M:やる価値はあった。

JE:マットはうまくやったよ。

M:みんなが欲しがっていた色を作れなかったことを除いて。あの技術が導入されたのは本当に素晴らしかったよ。

N:特にこれから出てくる地下のステージにはね。立派に見せるのにとても重要だ。

A:二つの間の対比が。本当に心に響く。違う人だ。布が短い。3番目のパートナーだね。

JCJourneyを本当にプレイしている人が居てくれてうれしいよ。やっとゲームが出た後だったと思うけど、殺風景で空っぽな場所になるかもしれないって思ったんだ。でも今のところとてもいい出席数だね。

JE:1〜2年後にJourneyを起動させて、その時誰かに出会うか、いまだにとても興味があるよ。

A:ゲームをいかに感傷的にしているか考えてごらん。おかしいけれど年齢を重ねるとより感情的になると思うんだ。

JC:最初のころにロビンと、何がJourneyと同等かということを話したことがある。インターネット上のバーチャル・スペースとして。テーマパークやギャラリーや博物館のようなものじゃないかと。博物館の開館当初は大勢の人が見に来て短い経験をしていく。けれど、同じ展示は一年後には古くなる。たぶん大勢の人は訪れない。でももし同じ展覧会を1年後に見にいったら、他のところに到達する。それはとても強くて感情を動かす経験になるかもしれない。

JE:たしかなつながりや個性を分かち合う。

A:高い確率で2人ともJourneyのタトゥーが入っているかも。

 

<地下道>

JE:みんなどこに入れてもらったの?

A:メルローズにJourneyのタトゥーを専門にしているいい場所があるんだ。だからそこで。あと他のいろんなゲームのもね。

JE:僕が言いたかったのは、たとえば太ももにとか。

A:ああ、体のどこにかってこと?これレートEのコメンタリーだから。

?:わかった、みんな…。

N:個人的に、ここは気に入っているステージの1つ。とてもドラマティックな色の変化がある初めてのステージ。予想外でもあるよね。ほとんどの人はJourneyをみて、「へぇ、砂漠か、いいじゃない」って思っても、地下に行くことになるなんて絶対に予想してない。あるいは水中なんて。ここには謎がある。これは水中なのか?これは地下なのか?この場所は何なのか?

M:そういった謎があると不思議な感じがする。私たちがどうしても保ちたかったものがあって、それはプレイヤーのフィーリングなんだ。特にこの場面、ここではさらに新たな生き物が出てくる。布の昆布の形で。

JE:ちょうど「不思議な国のアリス」に出てくるウサギの穴みたいな場面。まさにこのエリアに落ちてくる。

JC:「ヒーローの旅」(ジョゼーフ・キャンベルが名付けた、さまざまな神話に共通する一連の流れ)についてここまで話していないね。プレイヤーが知るべきことだと思う。Journeyの旅をデザインしたとき、プレイヤーが通り抜けなければいけないものとして、比較神話学者ジョゼーフ・キャンベルの説に基づいてデザインした。彼はいくつもの宗教や民話やそういった何千年と伝えられてきた、日本からネイティブ・アメリカンまで世界中の話に関して学んだことについて、多くの本を書いている。そして彼は、そういった話にはとても似かよった形式や構成があることを発見した。Journeyはその構成に基づいた忠実なエンターテイメントのようなもの。そしてジョンが不思議の国のアリスで滑り落ちるみたいだと言ったように、ウサギの穴に入って別の魔法の王国に入り込んでしまう、こういったものは多くのシーンで起こる。スター・ウォーズのオリジナルを書いたジョージ・ルーカスもその本を読んで、実際にスター・ウォーズのストーリーを、次に言及する「ヒーローの旅」により忠実なものに変えたんだ。

A:ジョゼーフ・キャンベルはこれで有名になった。

JC:そう!

A:スター・ウォーズが世に出て何億ドルと売り上げた時、みんなが「どうやって思いついたのか?」と訊いた。ルーカスは、それはジョゼーフ・キャンベルだと言い、極めて学術的な人間だったキャンベルは突然セレブリティ―になった。

M:1つ…こうした理由は、Journeyをどんな背景を持つ人でも深く共感できるものにしたかったから。それで感情的により深いストーリー形式になるようなものを思いつこうとした。だから、それは解決の道だった。

JE:ゲームに向いていることの1つだと思う。人それぞれの根底の部分に届く何か。そこに働きかけるから、または理由は何であっても、メディアとしてのゲームの本当の強みだ。人間の感情の一番基礎に働きかけることに適している。

A:ああ、なぜなら、モノミス論における「ヒーローの旅」の物語についての続きというわけじゃないけれど、ゲーム中には言葉が出てこないという事実もある。それについてもまだ話していなかったけれど。

JE:あの人ずっと「拳」って言ってる。

M:このエリアでは全てのものがちょっと怖くなってくる。

A:そして少し危険な。

M:前の部屋が導入になっていて、壊れた床から落ちてきて音楽が消え、下から照らされている像がある。そして不気味な雰囲気を醸し出す怖い音色。

JC:なんて呼んでいるんだっけ?

M:この回廊はあまりにもわざとらしくて、ずっと「ハロウィーン廊下」って呼んでいたんだ。

?:そう。

M:フラッシュ・ライトがたくさんあって、やりすぎだったから。でもそれを抑えて、今はよく目的を果たしていると思う。ここではガーディアンが布の生き物の群れを攻撃する。プレイヤーに、これがガーディアンの能力の一つだと説明する必要があるから。

N:基本的には良くないこと。

JE:ハーフ・ライフ(※ゲームのタイトル?)でいつも話されているのは、代理の死から学ぶということ。Journeyにおいてさえも使えるテクニックだ。

N:こういう生き物を作るのは一種のチャレンジ。すごく怖くしたいし、緊迫感を持たせたいし、でも過剰にプレイを妨げたくない。こっそり歩いて隠れたいと感じて欲しい。戦ったり倒されたりするのではなくて。もちろん本当にプレイヤーを殺してしまうことはできないので、罰を何にすればいいかずっと迷っていた。実際には捕まる。何か罰が必要だとわかっていた。そうしないとプレイヤーに真剣に捉えてもらえないから。最終的に落ち着いたのが、飛行能力を半分奪ってしまうというもの。

M:傷つくこととして。

N:そう、おおいに傷つく。だからとてもいい具合になったと思う。

A:うまくいっているよ。メロディーにおいても、全体的な流れや布やスカーフを伸ばすことにも。もともとは布を拾い集める仕様だったから。身体的なものを集めていると思うと、心情的にはすぐに集めたくなるものだ。

JE:そして競争を始める…。(音声不明瞭)見つかった!マットは他のマシーンの後ろに隠れようとしていたけれど。

M:ワオ。

JE:ニックと僕はPS3Flowを制作していたもともとの人間で、これとは別の分節生物―食べ物を食べて消化する―がある。

NJourneyでの多くの生物デザインは少なくとも何かしらFlowのスタイルの生物からインスパイアされている。

JE:もっとプッシュしたかったけど。

A:ここではしばらくの間Flowのクラゲの音を使っていて、とても良かった。すごくおもしろかったよね。

M:ずっとガーディアンの顔のデザインは決まらなくて、間違いなく、ゲーム中でデザインに苦労したものの一つだ。解決策に導いてくれたのは、Journeyのキャラクターの邪悪なバージョンを作ろうとして僕が描いた絵だ。ゲームに本当に登場することはなかったけれど、キャラクター自身の邪悪なバージョンというアイデアは本当に…

JE:ファンアートのアイデアにもあったと思う。

M:間違いなく、何か響くものがあるんだ。

A:でもかっこいいよ、彼らは目が一つしかないから、自然と正常ではない、何かおかしいところがあるように感じる。奇形というか…。

M:それが、プレイヤーがマスクを被っている理由で、恐ろしい顔を暴きたくなる、自分自身のマスクの下はどうなっているのかと思うようになる。あるいは本来の性質はどういったものなのかと…善なのか悪なのか…おもしろいメタファーだ…。山が近づいた。

A:このシーンと次のムービー、次のエリアの最後の、で気に入っているのは、顔のパーツは動かないのに―目や眉毛などを動かすといった意味では無表情なように―振り返ったとき、顔にはたくさんの感情が読み取れるんだ。僕にとっては、個人的には、そこにはつながりがある、特に次のムービーでは。

M:本当に興味深いのは、もともと僕がデザインしたキャラクターには、実は顔の特徴が欲しかったんだ。目についてもたくさん描いたし、キャラクターデザインをし続けた。つまり最初のうちは腕のあるとても人間らしいキャラクターだったんだ。ある時点では腕が何本もあるキャラクターまで考えていた。

JE:君はモータル・コンバットでゴローをプレイしてた。

M:とてもクレイジーだったけれど、ゲームデザインやプロジェクトの本質―Journeyのコンセプトを凝縮した―に至って。

JE:いかなくちゃ。

JC:うん、ゲイリー・ザ・スカーフを見に行こう。

JE:彼を置いていかないで。(?) 

M:とにかく、理由は…。

JC:オーケー。

M:おいで!

JE:行っていいよ、追いかけてくるよ。納得させられるさ、その価値がある。

M:見に行かなくちゃ。

A:そう!

JE:ゲイリーに「やあ」って言わないと。

JC:パッチの後ではなくなる予定だ。

?:だといいな。

N:ジョンが別のものを置いたと思う。

JE:おい!パッチの後で何が起こるかなんて誰にもわからないよ。

M:これが「何か」。

JE:ゲイリー!やぁゲイリー!

M:これ何?

JE:ゲイリー・ザ・スカーフはみんなと同じただのヤツさ。この世界で生きようとしている、ね。くつろげる小さな場所をみつけたんだよ。時々お客が来て、彼はそれをとても喜んでいるんだ。お友達は彼のことが気に入ったみたいだね。

M:ジョン、真実は?

N:早い段階のプロトタイプの残りだと思う。たまたまこのステージから消されなかっただけ。

M:実際は…。

JE:そんな言い方ゲイリーに対して失礼だよ!

JC:ガーディアンがまだ食事し終わっていなくて残ってるんだ。

JE:ゲイリーは大丈夫だよ、心配しなくていい!ガーディアンに食べられたりしない。

M:おもしろい…。

N:ジョンと別のジョン、ネスキーが出荷の数週間にゲイリーをみつけたけれど、歴史の素敵な一部になるだろうと決めた。

JE:彼はすでにやりとげていた…あの場所で何年も生き抜いたんだ。

A:君には取り除くなんてできないよ。リタイヤ前日の警官みたいだ。撃たれたりなんかできない。

 

<寺院>

M:ここは寺院のステージで、色調が恐ろしげなブルーグリーンから、温かくて感じのいいカラーのゴールドに移る。もともとはこうではなく、ここもブルーだった。以前は同じステージのパートだったから。でもガーディアンから隠れるゲームプレイを加えたあとに感じたんだ、この場面ではもっと安心感が必要だって。だから色調をひっくり返した。

N:初期のこのステージでは、このエネルギーの感じはなかった。水面が上がる。一番上までの道のりの踏み台でしかなかった。それではものすごく乱暴で、一度ジャンンプを失敗すれば下まで全部落ちてしまって、完全に初めからやりなおさないといけなかった。

M:作りたい雰囲気と正反対だった。

A:一時は安全装置を作っていたよね。連れ戻してくれる小魚を配置したけれどより悪かった。緊張感が全然なくなってしまって。

N:そう。それでこのちょうどいいバランスになったんだ、まだいくつかの踏み台の緊張感があるし、でも下には安全ネットがある。

A:それに純粋にとても美しい。音楽的にも楽しかった。水/エネルギー/魂の液の、上にいるか下にいるかで変えることができたから。

N:思いたいもので何でも。

JE:デザイナーたちが「これは水。この水は上がる」って話すといつもびくびくした。「つまり今度は水のシェイダーが要るってこと?」って。でもまた、マットが方法を見つけ出した。

M:その通り。表面は完全にフェイクなんだ。実際はフラアリーからもってきた粒子を使っている。

JC:証明するべきだ。覚えてるかな、フラアリーに水がでてきたのを。

A:ちなみに、たくさんのインタビューや何かの中で聞かれたのは、どのエリアが一番好きかという質問。ほとんどの人が、僕が思うに、エンディングなんじゃないかと思うけれど、僕にとってはこのエリア、このステージだな。このいわゆる寺院があってスピリチュアルな感じがするから。ほんとうに荘厳だと思う。なにか違う…道中の他の全てのものからかけ離れていて、それでもやはり超然としているように感じる。縦方向になっているメカニックのせいかもしれない。ゲームの他の部分とは違う。僕にとってはとてもエモーショナルな場所だ。どういう風にデザインされていても。

JE:おもしろい、今は寺院エリアだけどもともとは…。

M:寺院じゃなかったんだ。

A:全然違った。

M:巨大な宇宙船だった。

JEJourneySFバージョン。日の目を見ることはなかった。

M:中心の塔柱は、本当はある時点、プロジェクトのかなり初期では宇宙船にしようと考えていた。

A:気分を損ねたいわけじゃないけれど、コンセプトの絵では燃料貯蔵庫みたいだった。

M:そう、コンセプトが変わったんだ。より良いものにね。

A:そうだね。

JC:ノアの方舟なんだ。過去の文明が滅んでいって人々が生き延びようとしているから。

N:ここまで見てきた中で、これが一番大きな布の生き物だ。この時点までで。これもまた一種の伏線だ。最後のステージで見ることになるものの。

A:いつもクジラだと思っているんだけど、好きなんだ。他のものと同じで、どういう風に見えたとしても僕にとってはとてもクジラっぽいクオリティで、とても雄大で巨大で、でも脅威は感じないこれが大好きなんだ。そしてここではティナの弾くチェロのソロが、クジラが初めて出てきたときに流れる。背に飛び乗るとマケドニアのフル・ストリングスとオーケストラが重なる。魅了される瞬間だ。

JE:プレイヤーたちがやっているっていうのを聞いたんだけど、水を起動させないでタワーに上ろうとするって。協力的な相棒となら、それができるんだ。どうやらクジラが出てくる小さな穴までの道でそれができれば、クジラはただ自分の小さな家にいて泳ぎまわっているんだ。プレイヤーたちはとても面白がっていたよ。

M:実は白服だと1人でも可能だ。

A:僕はやったことない。僕がやってないことがあるなんて信じられないよ。初めて聞いたときはびっくりした。でもプレイヤーに任せて挑戦させると、特にプレイヤー2人のときは言葉のないコミュニケーションでの同意で(可能になる)。信じ難いよ。

JE:時々、片方がスカーフをなるべく短くしようとしたりするみたい。それでも…

A:誰が思いつくんだろう?Journeyでハードコアなゲーマーのアピール。

MJourneyをハードコアなゲームとしてプレイする方法があるんだ

A:ワオ。

N:このエリアは、気付いたかな、最初のステージとそっくりになっている。

JE:ゲームの最初のエリアを反映しているんだ。こういった寺院の壊れたバージョンなんだ。砂の上に一番上の部分だけが突き出ている恰好で、すべて埋まってしまっているんだろう。

M:これは特殊なシークエンスで、一番目のものだ。滅びた国をもってきた。何がこのパートのメッセージであるべきなのかわかるように、たくさんの試行錯誤を経た。プレイヤーに何が目的なのか感じさせる。そして山がとても近くなっていることを思い出させる。プレイヤーをつつむ円筒形のイメージのこのアイデアは、あなたの旅の重みや背後にある意味を感じさせる。

A:おもしろいのは、視覚的に見ているものの実質面については何回も試行錯誤していて、それでも音楽は全く変わらなかったこと。基本的には一つのバージョンしか書いていない。長さが変わるようなときにはいくつか改訂版を作ったけれど、曲の感情は変えていない。なぜならいつも…山が姿を現した途端にすべての試行錯誤はどこかへいってしまうから。山が現れる時はいつもクライマックスで、僕にとってそれはいつもとてもエモーショナルだ。そしてちょうどこのショットが、前に話したものだ。先祖の動きや言語にとても多くの感情がみえる。完全に個人的な分析だけれど、いつもとても心を動かされる。それが、音楽を壮大にしたのだと思う。

JC:出だしを最初に聞いたとき、とてもエモーショナルだった。

M:間違いなく何かがあった。この曲のクオリティに会うような、もっと良いシークエンスを作らないといけないって、曲を聞いて気付いた。

JC:その時は山の現れ方が十分な感じさせ方ではなかった。音楽に見合う力強さが足りなかった。

N:音楽が何かをさせようとしているようで問題だった。そんな意図はないのに。だから自然に感じるようにビジュアルをきちんとマッチさせなければいけない。

 

<雪山>

A:僕が「跳躍」と呼んでいる現象が起こったところがいくつかある。僕が曲を書く、そして君たちが曲の感情からインスパイアされてデザインする。でもそしたら、必然的にそれを超えたものを作ろうとするだろう。だから僕は君たちに追いつけるように曲を作り続けて、たえずお互いをつりあげていったんだ。

でも昆布の森が登場するところなど数カ所のために書いた、本当に大きく豊かに美しい曲は結論として予備にした。

JE:僕ら出資金を下げた?

A:違うよ、そういうものに遮られたわけじゃない。意識的な選択で、ちょっと薄くするというか、非現実的な水中のような感じにしたかった。失われた世界のような壮大な場面ではなかったから、マッチするように曲を戻したんだ。それも試行錯誤の過程の一部みたいなものだよ。

M:間違いなくゲームデザインはアートや音楽に制約を生み出す。

JE:プログラミングは全員に対する制約を生み出すよ。

M:まぁ、それも一つの見方だ。

A:そのことに関しては、僕は詐欺師みたいにうまくやったんじゃないかな。すべての意図や目的にたいして、音楽部門ではなんの技術的制約もなかったから。たくさんのストリームを同時に実行できたし、クレイジーなアイデアごとに、時間をおって音楽がプレイヤーの経験に相互的で反映されるようにできた。「ワオ、これはクールなアイデアだ、でも妥協案をださなくちゃ」と思ったことはない。必然的に、何かが複雑になりすぎてしまったときには、技術の制約のせいではなくてアイデア自体に欠点があるせいだ。だからほかの部門と比べて幸運だと思う。

JE:うん。マット、僕は君のために妥協案を用意したんだ。

JC:突き当りにひび割れがみえるよね。光が射している。初期にしてしまったミスなんだけれど、割れ目があまりはっきりしていなくて、大勢がここでしばらく迷ってしまった。ここが世界の終わりだって思って引き返してしまった。だから追加で光を加えたんだ。プレイヤーを前へ進ませるために。

N:このエリアのデザインは、プレイヤーがくっついて同じ石の後ろに身を寄せ合うように仕向けている。お互いをより近くに感じられるようにしたんだ。このステージでは別々でいると凍ってしまい、動きが鈍くなる。一緒にいると暖めあって早く動ける。共にもがくことでプレイヤー同士の絆ができるようにした。

M:このステージ全体はまさにそう。奮闘を共有して、プレイヤーをつなげ、感情的に絆がつくられる。そしてストーリーの横糸は下り坂になって、不意に逆境におかれる。はじめに下り坂があるとそれがより強力になるんだと思う。

N:小さなしかけもたくさん入れている。もう一人に触れたときに温かい光が二人の間にできることとか。一人でいるより二人でいると居心地がよくなるような、沢山の小さなしるしがある。

A:音楽面でもそうだ。ゲームの各所には少なくとも二つの異なるスコアがある。プレイヤーが一人のときのものと二人のときのものがあるから。二人用のものはより豊かでもっとおもしろみがある。たいていは、より美しくなるようにしている。例えば、初めの方で、プレイヤーが開けた砂漠にいて雲―何かの群れみたいな、嵐に置き換えることを検討していた―に覆われている最後の塔に近づいていくとき、一人で近づくと、荒涼としていてほとんど音楽は聞こえないけれど、誰かと一緒にいくとヴィオラの独奏がきこえるんだ、誰かといるときだけ聞こえる。侘しさの中に、美しさを感じることができる。でも誰かといるときだけだ。このステージはそういうものがつまっている。

M:のぼってきたこのエリアは峡谷(スライダー)のスローダウン・エリアみたいなもの。セカンド・シティと呼んでいる。ここまでの寒さから小休止できるところだから。スライダーのエリアよりは小さいけれどね。

JE:プレイヤーの上で凍りついたものがここでは溶けるだろう。この技術は実行するまでにしばらくかかった。ずっと基本的にはプレイヤーは次に温まるまでミラーボールに覆われるだけだった。

N:本当に寒く感じられるように、このステージでは多くのことをした。前進するさなかでまさに凍りつくように。

A:スティーヴ・ジョンソンがその分野でいろいろと加えてくれた。

JE:ああ、サウンド・デザイン。

A:氷の粒のカサカサいうサウンド・デザイン。

JE:とても冷たく聞こえる。

JC:スティーヴの話を聞かせたい。彼がどうやってこの凍りつく音を作ったのかについて。マット、できれば布が溶けるのをみせてくれ。そうすればその音が聞ける。彼(マッチングしているプレイヤー)は聞いているはず。物が凍りついていくときの、とても説得力のある音だ。彼がとった方法は、古いジーンズを濡らしてそれを冷凍庫にいれたんだ。それで凍った古いジーンズができあがった。そしてパリパリいう音を出すためにそれを押しつぶした。

A:その話は聞いてなかった。すごいね。

JC:別の話はもっとクールだよ。雪を踏みしめる足音があるよね。見ての通り、今みたいにプレイヤーは時々もがく。雪の中を比較的早く動く時に対して、本当にもがきながら歩いているみたい。もがくのにもさまざまな段階があって、雪の中の三種類の足音は実際は…ポテトチップスから作られたんだ。ソニー・オフィスにはワイヤーズ(※チップスの商品名)が置いてあって。

M:フリトス(※商品名)みたいな?

JC:フリトス、レイズ…あと一つなんだっけ?

JE:ドリトス…。

JC:そう、ドリトス。それで…。

JE:ドリトスが一番もがいてる。

JC:彼はチップスをたくさん持ってきて、塵みたいにすりつぶして、マイクをチップスの中に入れて音を作ったんだ。重い足音はレイズとドリトスとフリトスのミックスだ。

JE:3種類全部食べなきゃいけない気になる。

JC:彼がうっかりボウルをひっくり反しちゃって、粉々のチップスが二週間くらい彼のオフィスに残っていたよ。行くたびに臭ってた。

M:その価値はあったよ。

JE:彼は臭うデザイナーじゃないよ。

JC:それが今聞いているこのパキパキ音なんだ。

JE:このステージでよくみることができる技術的なものがちょっとある。キャラクターの上で布のシミュレーションをしたら、うまくやるのはとても難しかった、少なくとも僕とチームにとっては。よく混乱しがちだった。時々ケープが全部巻き上がってしまって。ずっと技術的に解決しようとしていたけれども、できなかった。最終的に、キャラクターにパーソナリティを持たせることで直すことにした。ケープが絡まると困って直そうとする。そしてパタパタさせたりして自分自身で調整する。

JC:それで多くの人がキャラクターを女性っぽいと思うのかな?

M:それについてはわからないけど。

N:でも確実にそのしぐさはキャラクターに個性を持たせたよね。

M:キャラクターの性別についてはキャラクターデザインの過程で保とうとしたことが明確にある。なんて呼んでいるんだっけ?匿名?

A:両性具有。

M:両性具有、ありがとう。

A:どちらも当てはまると思うんだ。

M:うん。何者であろうと感情移入できるキャラクターにしたかった。

A:うん、そうなっているよ。たくさんの女性と話したけど彼女たちは無意識にキャラクターをsheと呼んで、男性はheと呼ぶ。考えてそう言っているわけではなくて、理想的なことだと思う。

JC:このゲームを始めた時、このゲームはマルチプレイヤーゲームだといった。二人の人間の間に起こる。お互いを見る時に、性別や年齢は要因になるべきじゃない。マットは本当によくやったと思う。相手が大人なのか子供なのかさえわからないもの。男性か女性かも。みんな同じなんだ。

JE:犬かも、エイリアンかも、誰にもわからない。

A:プレイヤーがたてる音をデザインしているときも同じだった。男性や女性や特定の生き物や何かである限り、簡単に一つの方向や違う方へ偏ってしまう。相当な数の…百万通りのプレイヤーサウンドを試作したよ。

?:ナイス。

M:とっても近かったね。

A:たくさんの異なるもののコンビネーションだ。

M:このエリアは一番恐ろしいガーディアンとの遭遇のひとつ。厳しい環境だから。ずっとここはこんなに怖くなくて、ゲームプレイに緊張感を持たせるために、ガーディアンのスピードを遅くしてサーチライトを広くした。

A:スーパー捕食性

M:まるでプレイヤーを探しているみたいに。怖い感じがする。僕は今ちゃんと通り過ぎたよ。

JE:グッジョブ。チームワークだ。

JC:ここでは倒れることはできるの?

JE:できるかもね。

N:上がってきたこのエリアは、このステージの最後の安全なスロー・ダウン・ゾーンだ。そして間違いなく美しい音楽がある最後のエリアだ。

A:ちょうど今、ハープが際立って聞こえる。一人だと聞こえない。誰か気づいているかな…楽譜は完全に電子音で始まる。たまにフルートやチェロのソロが入って。そして他の楽器も入れていく。もしマルチプレイならハープやバイオリンも聞こえる。オーケストラのスケールはゲームのコース全体を通してとてもゆっくりと大きくなる。この時点では本質的にオーケストラ音楽だ。電子音も入ってはいるけれど、でも今聞いているのは大きく豊かな弦パートだ。テッドを思い出すよ、一緒だったとき彼はここが一番気に入っていると言っていた。面白いしエモーショナルだと思ったよ。ここは最後の安全な砦だ。次の10分で打ちのめされる前のね。このデザインは美しくて好きだ。凍ったかたまりのよう。墓地のように思える。複雑な心理で、美しいと感じる。

JC:布の生き物、クジラと石蛇のつながりも見せようとしている。実際は、風の中で凍っている半石蛇、半布。

M:あまり多くのプレイヤーが気付くことではない。すごくわかりにくい。

A:超名人技。ティナ・グオのチェロのソロ。

M:これはJourneyでプレイヤーが歩いて渡る、最後の大きな建築要素だ。そしてこれは本当に極めて重い形状。すごくおかしかったのは…話してくれる?

JE:ずっとここのフレームはほんとに酷かったんだ。ある日実は2つのこの網が、要塞の上でそれぞれの網の上にあるのを見つけるまでは。

N:それで、じゃあ一つ消せばいいということになって、そうしたら問題は解決したんだ。Journeyの中では一番簡単な最適化だったんじゃないかな。

JE:残りのゲームをチェックしなくちゃいけなかった。

N:いまだにチェックして確かめてる。

JE:結局ツールを書いて、他の場所があったと思うんだけど…モデルみたいなものを二回つけた。彼はあそこだよ、待っていれば来るよ。

JC:いや、あそこで座ってる。

M:オーノー!山に殺されちゃったんだ。とても残念だ。

JE:オーノー!

N:ここでは…

A:仲間を失うのにいいタイミングではないね。

N:風に吹きつけられてスカーフがなくなっていく。落ちて短くなっていって、プレイヤーはどんどん弱くなる。動きが遅くなって飛行能力がほとんどなくなってしまう。

M:ステージの始まりに目を凝らせば、全体の道を見下ろすことができる。以前はステージの最初のところまでずっと落ちることもあった。ちょっと厳しすぎた。

JC:それで2段目を作ったんだ。落っこちてしまった時のためにね。吹き飛ばされて落ちてしまわないようにという切迫感は、プレイヤーに持っていてもらいたい。

A:オーノー!

JC:でももし落ちてしまったときに、ステージ最初からやり直しにはしたくなかった。いいバランス。プレイヤーにペナルティを与えて十分な緊迫感もある。

N:コミニュメーション能力も小さくなる。声はとても弱くなってある時点で消えてしまう。

A:ああ、とてもいいサウンド・デザインだ。ある地点に向けてスケールが小さくなっていく。初めてプレイしたときのことを思いだすな。どれくらいかかったか覚えてないけれど。公平なはずだから…長くかかったわけではないと思う。ボタンを連打しても何も出てこないって気付くまでに。それで、本当に弱くなったと感じる。初めてこう感じたよ。なんてことだ、本当に死にそうだ、って。

JE:今は本当に相棒に居てほしいよ。

M:このエリアは…(※字幕がなく聞き取れなかったため文が不完全です)、真っ白な雪原に関しておもしろいのは、プレイヤーが徐々に行き着く、巨大な壁というコンセプトだ。この靄は見せかけのバリアのようなもの。でもプレイヤーがもがく様子からすると、雪原はよりパワフルになったと思う。

A:物理的に阻まれて「さぁ何かに行き当たったね。でも君は乗り越えるには弱すぎる」と言われるのは、永遠にただもがいているだけよりもはるかに敗北感がある。

JC:少しだけ希望を与えるんだ。もともとは本当に壁があって、プレイヤーは踵を返してしまうことが多かったから。それからおかしかったのは、ここに歩いてくると下り坂でサーフィンができて、完全にムードを壊してしまっていた。そこに見えるように、いくつか墓標を加えた。なにも目印がないと前進できているのかわからないから。このパートをきちんとさせるのには長くかかったよ。

N:ここのタイミングではかなり苦労した。ちょうどいいタイミングにするためにね。もっと長かったけれど、何回もプレイテストをしてこの長さにした。短すぎるんじゃないかっていう意見もあったかもしれないけれど、僕はこれで完璧だと思う。

A:賛成だ。石のドラゴンが周りを飛んでいたりもしたけれど、ただやたらに怖がらせているだけだった。

N:ここでは雲が出てきて山は消えてしまう。ゴールが見えなくなってしまう。

M:音もなくなって、それが厳粛なムードを醸し出している。

A:うん、いいよね。音楽もサウンド・デザインもなくて…完全な静寂。とても、とても強力だ。覚えてる?本当に最初の、いわゆる「山の序曲」―そう呼んでいたんだ―あの曲はまるで戦争に行くみたいだった。規模も音量も大きな管楽器で大げさでおそろしかった。

 

<天界>

JC:実はプレイテスト中、白いスクリーンでゲームが止まったことがある。

A:彼は僕の大学時代のルームメイトで、LAに来ていたんだ。かなりのゲーマーでJourneyについて知りたがっていたから、プレイテスターになってもらえばいいじゃないかと僕が言ったんだ。彼はとても鋭い男で、おもしろいアイデアを持っているんじゃないかと思ったから。そうしたら白いスクリーンでゲームがクラッシュしてしまった。彼は10分間もただ座ってた。こういう終わり方に目的があるんじゃないかと考えながら。結果として、とてもエモーショナルな経験になったわけだけど。そして、最後のエリアは十分に心に働きかけなかったことを明らかにするのに大きな助けになった。僕らは「いや、違う違う、ごめんクラッシュしたんだ。再起動しよう」って感じだったから。彼はプレイしなおして、

M:白いエンディングの方が好きだな。

A:うん、実際彼はそっちの方がいいと、好きだと言ってくれた。僕にとっては、情報の偏ったシングル・ユーザーのプレイテストだったけれど。

JE:そしてこのレベルを完全にやり直さなくちゃいけなかった。

M:大幅な改訂をした。

A:音楽も100%書き直した。捨てたんだ。完全に全て消したよ。

N:初期にはこのエリアのゲームプレイはもっと強制的だった。プレイヤーはまるで…レールの上を飛んでエリアを抜けていくみたいだった。自由度が低かったんだ。最高の自由という、このステージの特徴が台無しだった。だからプロジェクトの最終段階で完全にやり直すことにしたんだ。今見ているものに作り直した。

A:マット、コースについて話したらどう?初めてこの道を見たとき、完全に息をのんだよ。

M:ああ、この青い色が以前に話していたものだ。この、冴え冴えとして明瞭で透明感のあるものを作りたかったんだ。このゲームで話し合っていたビジュアルデザインの要素の一つは、透明感だから。つまり、それは宙をコントロールして世界を旅するためのプレイヤーの能力や力と同義なんだ。ここはゲーム中でみることのできる、まぎれもなく最果ての、圧倒的に最大のステージだ。それからプレイヤーはとても速く動くことができる。

N:ここではキャラクターのコントロールを再調整した。このステージでただ気持ち良く感じられるように。

M:この完全に自由な感じにするためには本当に必要な調整だった。

A:ゲーム全体の中でもここは特に好きな瞬間。滝の中に入って、水中に出る。

JE:どういう風になってるんだろう?

A:純粋に魔法だ。

M:雲か何かの中を泳いでいく。

A:大好きだよ。

N:このステージのゲームプレイは、全てのゲームプレイを反映している。ここまでに通ってきたものすべての記憶を振り返っている。でももっと壮大なスケールで。

A:そして全てのフィルターを通して美しい。音楽面でも、ふさわしいものを作るのは大きなチャレンジだった。最初のバージョンはとてもゆっくりで、クロス・メディア・バーのところで聞いたテーマ曲と同じくらい、いやもっとゆっくりだった。もっと静かで内省的だった。この天国みたいな場所を感じられるようにしたかったから。そして「違う違う、エネルギーが必要だ」と思った。すばらしく大きなシアターみたいでなければいけない。これについてはたくさん話し合った。最後の大きな一押しのような、持ち上げられるような感覚であるべきだ。だから180度アプローチを変えた。とても速くでアグレッシブな曲にした。そしたらそれはアクションやレースみたいで、それも全然うまくいかなかった。最終的にイライラして、ただ音楽を書き始めた。そしてどうしてか、この曲が出てきたんだ。

JC:オースティンがこの曲を持ってきたとき、ただふさわしいと感じた。そして音楽と比べると、ゲームがとても遅く、限りがあるように感じられた。だから、3倍速くなるようにゲームプレイをやりなおしたんだ。ステージ全体を見ることができるようにもした。おもしろいよね。ゲームになった時には全てのメディアのミックスになっている。このステージのために、この登っていく動作を入れた。全てを一緒に行わなくても、プレイヤーの感情に、可能な限り一番高いインパクトを与えられるように。だからヴィジュアルやオーディオを通してはとても明白だけど、ゲームデザインとなるといつも考えた。高い場面では自由でスピードにのって走りぬけられるべきだと。このゲームのクライマックスは確実に最後のエリアだ。でも沈んだ街をサーフィンで走り抜けたり、寺院を登ったりするところもまたクライマックスだ。それらのステージでは他のステージより早く動く。

M:このステージでの速いペースからこのエリアの、物思いにふけるようなゆっくりとしたペースへの変化は挑戦だった。

A:僕が目にしたもので一番美しいのは、繰り返し、ゲームが発売されてからこれをプレイした人たちが言う、この橋のところにたって友達を待っている姿だ。人によってはとても長い時間、10分、15分、20分と待つ。あるいはそう言ってるだけかもしれないけど…でも僕は信じるよ。相棒が来るまで、下の方のどこかにいるってわかっていて、彼が現れるとこの道を一緒に歩いて、そして…何人かの人はブログに書いたりして思い返すんだ。個々の物語を読むのはとてもエモーショナルだよ。あと、ここでは音楽がソロのチェロだということも言っておきたい。音楽の選び方としては変な方法だった。僕が書いて、約1年前に終わったコンサートで僕が指揮をしたWoven Variations(直訳だと織物変奏曲?)は、もともとは壮大で雄大で叙事詩的な音楽だった。とても軽く超越した。あまりしっくりきていたわけではなかったけれど、僕も他の人もより良いバージョンを思いつかなかった。そして本能的に、コンサートではああいう形で終わったんだ。チェロが最後に残されるという。そしてジェノヴァにコンサートの後で呼ばれて。まるで…「僕らはあの曲のようにゲームを作らなくちゃ」、っていう感じで、運命的だった。ゲームからインスパイアされて曲を書いて、その中で選択を形づくるために音楽に戻ってきた。作品の派生物になるはずだったものに。

JC:それはこのゲームでのコラボレーションで共通のテーマだったと思う。ステージのいくつかは、それから初期のいくつかの音楽でさえも、ゲームの「相互作用」というキーになったんだと思う。よくわからないけれど。映画だともっとはっきりしているのかも。

A:うん。

JC:一回目できちんとできることもあるかもしれないけれど。

 

<エンドロール>

M:この最後のシークエンスでおもしろいのは、もともとはこのとてもシネマティックなカットシーンで始まったんだ。プレイヤーのコントロールが奪われ、彼らにシークエンスを見せる。でも最終的に、プレイヤーは全てコントロールできるデザインになった。もし戻りたければ戻ることもできる。本当に最後の瞬間まで。この、最後の最後の瞬間にプレイヤーにコントロールを任せるという選択は、プレイヤーにとってその瞬間をより強力にしたと思う。

A:そう。彼らは選んでそうしてるんだ。小さな違いだれけど、効果は絶大だ。誰かがこれにコメントしているのをみたよ。

JEJourneyをプレイしてくれてありがとう!

M:どういたしまして。

A:誰かがYoutubeに書いてるのをみたけれど、これは自分にありがとうと言ってくれた初めてのゲームだ、って。おもしろい。だって僕がこれを初めて見たとき、「ありがとう」の意味がいまいちわからなかったんだ。今ではよくわかるよ。

M:このクレジットのシークエンスは作るのが本当に楽しかった。以前に作ったすべてのステージを並べて、逆回りに初めまでの戻る旅。でも照明なんかで違う雰囲気にすることができた。特にこういった後の方のショットでは、同じ場所の違う時間帯を見ることができる。純粋に楽しかったよ。

N:オースティンがこのために作った曲が本当に好きだ。このJourneyにとって、本当にふさわしいエンディングだと思う。

JE:おもしろかったのは、僕らがみんな開発スタジオでミーティングしていて、オースティンは彼のスタジオの外で仕事をしていて。でもみんなミーティングにいて、ジェノヴァがオースティンから携帯のテキスト・メッセージを受け取った。ちょうどこの曲を書いたって。そして歌にするつもりだって。「ええー?」ってなった瞬間だったよ。ジェノヴァが振り返って「うまくいくのかな?これはいい考えなのかな?」という感じに。

A:「やばいんじゃないの?」って?

JE:どんな歌になるのかと。

M:歌詞のある歌は、「詩」になる。

JE:そう、言葉になる。

A:初期のレコーディングはヴォーカルがあるとどうなるか見てみるために行った。でも詩をどうするか決めきれなかった。だからただ少女が母音だけで歌っているバージョンを録った。最終的に決まったものとは別の歌手だったけど、同じくらい素晴らしかった。アヤナ・ハヴィヴという歌手だった。ロビンが特にはっきりと僕に対して懐疑的だった。僕は「いい、私たちはJourneyのテーマのバリエーションを楽器や何かで作るのにあなたを必要としているの」って言われてもいいように、心の準備をしたよ。おかしいけれど、僕はこのチームと仕事をしていて安心感があるし、コラボレーションの過程が大好きだ。曲を書いてそれに反応がもらえる。それはほとんどいつも「ああいいね、そうだね、とても素晴らしいよ、それに替えてみよう」っていうふうだ。だから一度も何かを送るのに神経質になったことはない。精神的に不安に感じたことがないから。実際、反応をもらいたいし。でもこの曲は例外で、とても恐かった。「どうしよう、もし気に入ってもらえなかったら…道路に飛び込むかも」って。

JC:待ってオースティン、もともとこれは高校生の合唱になるって言ってたよね。

A:サミットでそうなる予定だったんだ。

JC:なるほど。

A:最後にコーラスを入れたらいいんじゃないかと思ったんだ。でも合唱を入れるたびに変な感じがした。偉大さに背中をたたかれているような…。でもこれはそういうのじゃないから、やめたんだ。

M:最初の段階のものを初めて聞いたとき、みんな夢中になった。

JE:うん「おおお〜」ってかんじ。

M:本当に合っていた。

A:一番最後に書いたものでもあるんだ。ただのアイデアで、部分的には疑念もあるってわかっていたから。でも楽譜の残りの部分には自信があると確信したかった。だから最後のエンド・クレジット用のものを何も書く前に、ゲーム中の全部の音楽は仕上がっていた。普通じゃない。普通は並行して改訂を続けているから。

JC:ヒーローの旅の最後には、ヒーローはいつも彼の起源に戻る。Journeyのクレジットが、フラアリーやFlowと少し違うのは、それも理由の一つだ。誰と出会ったのか見てみよう。あれは最初に出会った人で、そして「拳」の人。でも最後の人を見た覚えがないな…。

A3人しかいないのか。もっと、5人くらいにあったような気がしたよ。

M:このシークエンスは楽しい。夜の色合いから朝の色―ゲームの始まりでみたもの―へ変わっていく。

A:圧倒されたよ。ゲームでみたイメージの中でもっとも美しい。大好きだ。

JE:今は山がある。

M:今は山を見ることができる。

N:良いものになって本当に嬉しい。Journeyの良い締めくくりだ。全てをまとめている。完璧だ。

M:これからオープニングのシークエンスをみれば、流れ星が何なのかわかるだろう。より感慨深くなる。これが、Journeyだと思うんだ。

A:みんな、最後の一言は?

JE:みんな、よくやった!

M:見てくれてありがとう。聞いてくれてありがとう。

JC:プレイヤーのみなさん、忍耐強く一時間半も僕らのぶつぶつ言うのにつきあってくれて、Journeyをプレイしてくれて本当に嬉しい。これが、このゲームを作って僕らがもらった最高の賞です。過去3年間でたくさんの人たちがこのプロジェクトにたくさんの力を貸してくれた。僕ら全員にとってとてもパーソナルで、あなたがJourneyをプレイしてくれて、ブルー・レイ版を買ってくれて、コメンタリーをみてくれた事実は、僕らの支えになる。本当に感謝しています。どうもありがとう。

A:ありがとう。